Single 「シングル」と家族/縁(えにし)の人類学的研究

member/メンバー

Wakana Shiino

椎野 若菜

所属 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授
URL http://wakana-luo.aacore.jp/
対象、テーマ -
フィールド アフリカ

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研究予定

「シングル」と社会―人類学的研究(http://single-ken.aacore.jp/)につづく第二弾の研究プロジェクト。
 今回は新たなメンバーも加わり、第一弾で手薄だったムスリム社会(トルコ、サウディアラビア)、東南アジアをフィールドにする研究者、セクシュアリティ(ホモセクシュアル、HIV)国際結婚、をテーマにする方がたも加わった。より世界の「シングル」について多方面から議論できることを期待している。
 私自身は、これまで調査してきたケニア・ルオの村落だけでなく、首都ナイロビのシングルの状況、さらにウガンダのルオ系の人々の社会を対象に調査研究をすすめていく。非常にはやいスピードで変化するアフリカ。ある意味、変化の縮図がみえるともいえる。伝統的な規範が大きく作用する村落社会でのシングルの地位、あらゆる価値観が流入し人も流入し絶え間なく変化する首都ナイロビ。双方の次元の異なる空間に生きる男女は、シングルはいかなる地位にいて、どう生きているのか。内戦終結から数年たったウガンダ北部。村落社会とはいえ、内戦ゆえに国際的な援助、介入の影響で外からさまざまな文化的知識、物資の流入、政策が敷かれてきた。難民キャンプという人工的な場で暮らした影響が人々にどのような変化をもたらしたのか。ケニア・ルオとも比較しながらシングル、女性の生き方の変化をみていきたい。
 日本社会におけるシングルも、さらにさらに変化していきている。日本社会の変化を追いながら、都市においては世界的現象ともいえるシングル化、あるいは人類学的なシングルという視点からさまざまな世界の社会変化をみたらどう描出されるか。挑んでみたい。
 

 

おもな業績

<編著書>
2010 『「シングル」で生きる―人類学者のフィールドから』御茶の水書房
2009 奥野克巳、竹ノ下祐二と共編『来たるべき人類学シリーズ セックスの人類学』春風社
2008 『結婚と死をめぐる女の民族誌―ケニア・ルオ社会の寡婦が男を選ぶとき』世界思想社
2007 『やもめぐらし―寡婦の文化人類学』明石書店。

<論文>
印刷中「ケニア・ルオ社会における象徴的「家」とその展開」小池誠・信田敏宏編『生をつなぐ家』風響社。
印刷中「人生を印づけるたいせつな行事:結婚と葬式」、「大湖の民 ―人びとの暮らしとそ    の歴史、ケニアを生きる意気込み」、「宗教事情 ― キリスト教土着化とイスラーム」『ケニアを知る55章』松田素二・津田みわ編、明石書店。
2012 「ゆるやかに、自立して生きる;北部ウガンダ、ランゴ女性たち」『ウガンダを知る53章』吉田昌男・白石壮一郎編、明石書店、pp.150-155。
2011 「Lesson4 セクシュアリティとジェンダー:「性」の多義性とは?」奥野克巳・花渕馨也共編『増補版 文化人類学のレッスン:フィールドからの出発』学陽書房,pp.81-106
2010 「シングルをはじき出す村、シングルの都・ナイロビ」椎野若菜編、『「シングル」で生きる』御茶の水書房、pp.211-225。
2009「ケニア・ルオという「集団」:社会人類学からの点描」河合香吏編『集団―人類社会の変化』京都大学出版会、pp.245-252。
2008 ‘Movements of the Luo and changes in residential patterns from the second half of the 19th century to the British colonial period and the present age in Kenya's South Nyanza region'、『東部および南部アフリカにおける自由化とエスノナショナリズムの波及』(平成17年度~平成19年度科学研究費補助金(基盤A)研究成果報告書、課題番号17251012)、pp.79-108。
2008 「日本におけるアフリカ研究の始まりとその展開――国際学術研究調査関係研究者データベースを使って」『アジア・アフリカ言語文化研究』、75号、pp.97-107.
2007 「ケニア・ルオの生活居住空間(ダラ)―その形成と象徴的意味の変化―」、河合香吏編『生きる場の人類学―土地と自然の認識・実践・表象過程』、京都大学出版会、pp.331-362.


<報告・エッセイ>
2012「セクシュアリティの内と外―ケニア・ルオの結婚と婚外の間」河合利光編『家族と生命継承』pp.174-176、時潮社。
2011 「フィールドワーカーのためのネットワーク:Fieldnetがめざすもの」『地域研究コンソーシアム・ニューズレター』pp.8-9。
2010 「人生とともにあるフィールドワークと人類学:「やもめ」から「シングル」研究をめぐって」『ピエリア』東京外国語大学出版会、pp.36-37。
2010 「フィールドワーカーのためのネットワーク:フィールドネットにようこそ」『Field+』4号,pp.24-27。
2007 「マロマロ−ルオは上へ上へ!」「ピニ・ルモ−国が消える」、『アフリカン・ポップスの誘惑』多摩アフリカセンター編、春風社。
2006 「アフリカの婚姻―寡婦による代理夫選択の実践」『多民族社会における宗教と文化』9 号、pp.27-44、宮城学院女子大学附属キリスト教文化研究所。
2006 「「墓の妻」となった女性の生きる道_エイズと伝統のはざま」 『民博通信』113号、pp.13-15、国立民族学博物館。
2006 「寡婦という言葉」「リーディング・ガイド」
『民博通信』113号、pp.16-17、国立民族学博物館、2006年6月。
2007 「民族のこころ 152 ケニア・ルオ村落で迎えた年末年始」『通信』119号、pp.20-21、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2007年3月。
2007 「AA研フォーラム やもめの人類学」『通信』119号、pp. 80-83、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2007年3月。



 

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