Single 「シングル」と家族/縁(えにし)の人類学的研究

member/メンバー

Shinobu Myoki

妙木 忍

所属 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 ジュニアフェロー 
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対象、テーマ ライフコース、主婦論争、準拠集団
フィールド 日本

左:「北海道・定山渓温泉(観光研究における調査地の一つ)」

右:妙木 忍

研究予定

 

私はこれまで、戦後日本における女性のライフコース選択に注目し、その選択のちがいに基づく女性間の対立と葛藤について「主婦論争」を手がかりに研究を進めてきた。戦後日本の社会史的文脈の中で、女性の主婦化が進行した1970年代半ばまでと、女性のライフコースが多様化したように見える1980年代以降とを併せて分析すると、とくに2000年代以降は言説上の変化が見られる。それは、シングル女性に関する言説の増加である。

このような研究は歴史的な分析であり、また言説を対象としたものであったが、今後は、それを踏まえた上で、こんにちの女性たちの多様な生き方に注目したい。現代日本においてシングル女性であるということは何を意味し、また彼女たちがどのように人々とのつながりを持ちながら生きていこうとしているのか、「縁」という語をキーワードに、考えてみたい。その過程では、女子労働力率の変動や家族のあり方の統計上の変化、非婚化・晩婚化の進行など、背景となる統計的なデータも重視したい。国の政策との関係も考察していく。

本研究のテーマは、男性や日本社会にもかかわる論点であり、シングル女性の生き方を一つの手がかりとして、日本社会における婚姻制度のあり方を再考することにもなるだろう。また、日本の研究を進めることによって、本共同研究プロジェクトでは通文化的な比較や議論が期待できる。

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