Single 「シングル」と家族/縁(えにし)の人類学的研究

member/メンバー

Yuko Yagi

八木 祐子

所属 宮城学院女子大学
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対象、テーマ 北インド、ジェンダー、社会変化
フィールド インド

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研究予定

私はこれまで、北インド農村における女性の位置づけに関する研究をおこなってきた。とくに、本申請課題の「シングル」と家族の問題に関わって、ヒンドゥ―社会における寡婦の位置づけについて研究をおこなってきた。今後は、変化する北インドのヒンドゥ―社会において、寡婦だけでなく、「シングル」の現状や家族関係などについて研究を深めるとともに、農村地域におけるムスリムの「シングル」の現状、また、北インドのヴァラナシなど、都市の「シングル」の問題について、家族との関わりから幅広く研究をおこなう予定である。

インド社会は、1991年の経済自由化以降、大きな変革の時期を迎えており、都市も農村社会も今、大きく変わろうとしている。私がこれまで研究してきた寡婦や離婚した女性も含めた「シングル」の位置づけも変化しつつあり、これまでの観念や価値観が崩れていくなかで、家族や親族との関係、共同体との関係などがどのように変わっていっているのか、また、ヒンドゥーやムスリムなど、宗教の違い、都市と農村の違い、あるいは人の移動との交流、消費社会との関わりなど、グローバルな動きを含めて研究をすすめることで、人類学的にも、南アジアの地域研究においても、新たな知見を得ることができると期待している。

 

<編著書>

1999 窪田幸子と共編『社会変容と女性―ジェンダーの文化人類学』、ナカニシヤ出版

 

<論文>

1999「儀礼・職能カースト・女性―北インド農村における通過儀礼と吉・凶の観念―」『民族学研究』56巻2号  pp.181-208

1998 「女神の身体・女性の身体ー北インド農村の女神崇拝」『女神―聖と性の人類学』田中雅一編 平凡社  pp.64-90

1999 「結婚・家族・女性―北インド農村社会の変容」『社会変容と女性―ジェンダーの文化人類学』窪田幸子・八木祐子編 ナカニシヤ出版  pp.36-65

1999 " Rituals,Service Castes and Women: Rites of passage and the Conception of Auspiciousness and Inausupiciousness in Northern India" eds.by Masaaki Tanaka and Musashi Tachaikawa,In Living with Sakti : Gender, Sexuality and Religion in South Asia. Senri Ethnological Studies 50, National Museum Ethnology.Osaka. pp.243-281.

2001「社会変化とジェンダー」『比較文化研究―ジェンダーの視点から』原ひろこ編 放送大学教育振興会  pp.103-124

2003 「北インド農村における身体とジェンダー規範」『現代南アジア 第5巻 社会・文化・ジェンダー』小谷汪之編 東京大学出版会 pp.277-293

2007 「白いサリーと赤いシンドゥール―北インド農村の寡婦の物語」『やもめぐらし―寡婦の文化人類学』椎野若菜編 明石書店 pp.174-192

 

<研究ノート>

2009 「マーイーの物語―北インド農村からの報告」『多民族社会における宗教と文化』No.12宮城学院女子大学キリスト教文化研究所 pp.42-51

2010 「北インド農村の住まいと女性の生活空間」『ジェンダー史叢書第8巻 生活と福祉』赤阪俊一・柳谷慶子編 明石書店 pp.174-192

2010 「モルギーさんの冒険」『「シングル」で生きるー人類学者のフィールドから』椎野若菜編 お茶の水書房 pp.226-240

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