Single 「シングル」と家族/縁(えにし)の人類学的研究

member/メンバー

Sachiko Yokota

横田 祥子

所属 日本学術振興会PD
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対象、テーマ 家族、再生産労働、国際ブローカー婚、グローバル・ハイパガミー
フィールド 台湾、インドネシア

左:インドネシア・華人とマレー人の一家とわたし

右:台湾・未婚のまま亡くなった女性の位牌が納められた祭壇

本研究会には、東アジア地域の親族・家族研究の膨大な蓄積に対し、シングルという周辺的なステータスにある人々の実践を通じて、
父系出自や儒教倫理に支えられてきた理念モデルに対抗するシングルの持つ破壊性について、新たな分析視点を得ることを期待している。
漢族社会の説明には、従来父系出自モデルが親族・家族、ひいては社会の構成原理として活用されてきた。台湾漢族社会では、伝統的にシングル性は社会の再生産を阻むものとして否定され、経済、祖先祭祀、信仰面でシングル性を回避するための様々な方策が用意されてきた。1990年代以降、台湾で国際結婚が急増した理由も、一般には家督継承者として男子の出産に求める説明がなされている。しかしながら、国際移動時代の台湾の結婚市場を概観すると、従来の父系出自モデルや儒教倫理に反するような事象が起きている。そのひとつに、シングル性の保持/解消に関して、ジェンダー、階層、エスニシティにより、多様な実践がなされていることが挙げられる。そこで、シングル性の持つ社会に対する破壊性、革新性を検討するために、一、「シングル性」の保持を追求するライフスタイルと家族像、二、社会的な承認を受ける「シングル性」について研究を行っている。具体的には、「非婚」を意識的に選択した人々の家族観と実践、敬虔な仏教徒としての生きるためシングルを選択した人々の実践について調査を行っている。

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