Single 「シングル」と家族/縁(えにし)の人類学的研究

member/メンバー

Satoshi Tanahashi

棚橋 訓

所属 お茶の水女子大学
URL http://researchers.ao.ocha.ac.jp/6299163244.html
対象、テーマ 「シングル」観・家族観・親族観の歴史人類学的分析 「シングル」と家族国家観の連節に関する比較研究
フィールド メラネシア(ソロモン諸島)、ポリネシア(クック諸島、ツバル)、ミクロネシア(マーシャル諸島)、日本

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研究予定

1984年より継続して現地調査を行っているメラネシア(ソロモン諸島)・ポリネシア(クック諸島、ツバル)・ミクロネシア(マーシャル諸島)での研究成果に基づいて、各調査地における「シングル」と家族をめぐる諸問題に関して研究を実施する。「シングル」の理念と実践に関する考察を起点としながら、各調査地の社会における家族・親族の理念と実践を記述分析するとともに、オセアニア新興島嶼諸国における家族国家観の形成過程の歴史人類学的分析をひとつの軸として調査地間の比較研究を進める。また、調査地であるオセアニア諸社会と日本社会との比較研究を実施し、それによって現代日本社会の「シングル」観・家族観・親族観の特質を析出することを目指す。
具体的な研究計画は以下の通りである。2010年度には、応募者が既に現地調査により入手している各調査地のデータに基づき、各調査地の「シングル」・家族・親族の理念と実践の分析を実施する。2011年度には、「シングル」・家族・親族をめぐる諸問題に対して、オセアニア新興島嶼諸国の法制度・政治・経済のマクロな次元から考察を行い、家族国家観の形成過程の解明と併せて歴史人類学的分析を実施する。2012年度には、前2年度の研究成果に基づいて、オセアニア諸社会と日本社会の比較研究を実施する。

 

主な業績

1)「同性愛小考-パプアニューギニア・サンビア社会の事例から」、宮田 登・松園万亀雄(編)『文化人類学4:性と文化表象』、京都:アカデミア出版、pp.121-132. 1987年10月
2)「シンポジウム 性の人類学」(松園万亀雄・須藤健一・菅原和孝・栗田博之・山極寿一・蛭川 立との共同討議)、『月刊 現代』第29巻3号(1995年3月号)、東京:講談社、pp.192-238. 1995年10月
3)『性と出会う-人類学者の見る、聞く、語る』(松園万亀雄・須藤健一・菅原和孝・栗田博之・山極寿一との共著)、東京:講談社、全282頁、1996年2月
4)「性差について考える-“序”として」、『三色旗』1997年2月号(第587号)、東京:慶應義塾大学通信教育部、pp.2-5. 1997年2月
5)「裁かれるマオリ・カスタム-ポリネシア・クック諸島と土地権法廷」、山下晋司・山本真鳥(編)『植民地主義と文化-人類学のパースペクティヴ』、東京:新曜社、pp.36-64. 1997年12月
6)「ポリネシアの世界と性の民族学-第三の性をめぐる覚書」、Anthropological Science[和文誌] Vol.105 No.5、東京:日本人類学会、pp.341-343. 1997年12月
7)「文化人類学における性現象研究をめぐる若干の提言-ポリネシアのgender研究によせて」、松園万亀雄(編)『社会人類学におけるセクシュアリティの基礎的研究-調査・記述・比較の理論的検討』(平成7年度~平成8年度文部省科学研究費補助金基盤研究(B)(1)研究成果報告書)、東京:東京都立大学社会人類学研究室、pp.44-65. 1998年4月
8)「ポリネシア・クック諸島におけるロンドン伝道協会の初期布教活動に関する覚書」、大胡欽一・加治 明・佐々木宏幹・宮本 勝(編)『村武精一先生古稀記念論文集:社会と象徴-人類学的アプローチ』、 東京:岩田書院、pp.367-380. 1998年5月
9)「男が髪を切るとき-ポリネシア・クック諸島の男子断髪儀礼と労働移民に関する覚書と予察」、清水浩昭・芳賀正明・松本誠一(編)『性と年齢の人類学-高橋統一先生古稀記念論文集』、東京:岩田書院、pp.311-326. 1998年7月
10)「異性愛<ヘテロセクシュアル>とは何か④」(伊藤  悟との共同討議)、『週刊金曜日』第235号(1998年9月18日)、東京:(株)金曜日、pp.52-53. 1998年9月
11)「ポリネシアでジェンダーについて考える-性現象研究をめぐる若干の提言」、『社会学論叢』第134号、東京:日本大学社会学会、pp.39-53. 1999年3月
12)「12のアプローチ⑧文化人類学-「恋愛」は簡単にはわからない」、『AERA Mook恋愛学がわかる。』、東京:朝日新聞社、pp.38-41. 1999年7月
13)『異性愛をめぐる対話』(伊藤悟他との共著)、東京:飛鳥新社、全245頁、1999年11月
14)「性の空想、性の現実」、『三田評論』平成12年2月号(No.1021)、東京:慶應義塾広報室、p.63. 2000年2月
15)「文化人類学における体験知の思考と地域研究の困難」、『CASニューズレター』(特集 地域研究の課題)第100号、東京:慶應義塾大学地域研究センター、pp.41-43. 2000年8月
16)『性行動・性意識・性言説に関する比較民族誌的研究と総合的解析手法の検討』(平成10年度~平成12年度文部省/日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)(1)研究成果報告書)、東京:慶應義塾大学文学部、全128頁. 2001年3月
17)「若者-ポリネシア・創られた「放縦な性」のイメージ」、『AERA Mook文化学がわかる。』、東京:朝日新聞社、pp.79-82. 2002年3月
18)「「過剰なる性」の誤解-ポリネシア・クック諸島の恋愛・性愛をめぐる小察」、服藤早苗・山田昌弘・吉野 晃(編)『恋愛と性愛』、東京:早稲田大学出版部、pp.119-145. 2002年11月
19)「読み直されるベネディクトらの業績-文化人類学の再生に向けて」、『朝日新聞(夕刊)』2003年1月25日、東京版第13面掲載、2003年1月
20)「性の魅惑、性の恐怖―現代日本文化をめぐって」、慶應義塾大学教養研究センター(編)『生命の教養学へ―科学・感性・歴史』、東京:慶應義塾大学出版会、pp.199-215. 2005年2月
21)『講座 世界の先住民族―ファースト・ピープルズの現在―第9巻 オセアニア』(綾部恒雄監修、前川啓治との共編著)、東京:明石書店、全294頁、2005年9月
22)「「再生産」の「テクノロジー」を理解(しようと)すること」、『F-GENS ジャーナル』、No.7、東京:お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」、pp.102-103. 2007年3月
23)『人類の歴史・地球の現在―文化人類学へのいざない』(本多俊和・三尾裕子との共編著)、東京:放送大学教育振興会(日本放送出版協会)、全227頁、2007年4月
24)『「男性同性愛者」のセクシャリティから「男性」ジェンダーを見る―アジアにおけるHIV/AIDS問題の視点から(F-GENS Publication Series No.33)』(新ヶ江章友との共編著)、東京:お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」、全103頁、2008年3月
25)『文化人類学事典』(日本文化人類学会編、松田素二・上杉富之・永渕康之と共同企画・編集幹事)、東京:丸善、全833頁、2009年1月
26)「ストリートとストリーム―ポリネシアでストリート現象を考えるための覚書」、関根康正(編)『ストリートの人類学(下巻)』(国立民族学博物館調査報告<SER> No.81)、大阪:国立民族学博物館、pp.261-269. 2009年3月
27)「植民地主義との邂逅」、片山一道・熊谷圭知(編)『朝倉世界地理講座―大地と人間の物語―第15巻オセアニア』、東京:朝倉書店、pp.132-146. 2010年4月
28)「非婚の選択―ポリネシアのクック諸島マオリ流」、椎野若菜(編)『「シングル」で生きる―人類学者のフィールドから』、東京:御茶の水書房、pp.155-167. 2010年10月
 


 

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