Single 「シングル」と家族/縁(えにし)の人類学的研究

「シングル」で生きる --異文化にみる家族のかたちと個人の生き方--第3回

2011年6月22日@国立市立公民館

<多文化共生事業>
「シングル」で生きる
—異文化にみる家族のかたちと個人の生き方—

 日本では一般的に結婚していない人を意味する「シングル」。家族や結婚をめぐる状況が変化している今、「シングル」に注目すると日本社会の規範が浮かび上がってきます。
 一方世界に目を向けると、結婚のかたちが様々であるのと同様に、「シングル」のかたちやイメージも様々です。
 世界の「シングル」のあり方を知り、自分らしい生き方を考えてみませんか。
 今回はケニアとパプアニューギニアをフィールドにしているお二人の人類学者にお話をうかがいます。

◆シングルをはじきだす村、シングルの都・ナイロビ
講 師 椎野 若菜
(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教員)

◆シングルだってへっちゃらよ!?
—パプアニューギニアのシングルマザー—
講 師 馬場 淳(日本学術振興会特別研究員)

〈参考図書〉『「シングル」で生きる〜人類学者のフィールドから〜』御茶の水書房
※3月に中止になった講座の再実施です。

と き 6月22日(水)夜7時〜9時半
ところ 国立市立公民館 3階講座室
定 員 30名(先着順)※前回参加された方を優先します。
申込先 6月7日(火)朝9時〜 電話可
公民館 ?(572)5141

DATE : 2012.06.23

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「シングル」で生きる --異文化にみる家族のかたちと個人の生き方--第2回

<多文化共生事業>
「シングル」で生きる
—異文化にみる家族のかたちと個人の生き方—

第2回 3月9日(水)夜7時〜9時
テーマ:ひとりで暮らし、ひとりで老いる
—北欧型福祉国家の支える「個人」的生活—
講師 橋 絵里香(日本学術振興会特別研究員)

2011.3・9  講座「シングル」で生きる 第2回
★参加者の感想★

・日本とかなり違いがある。日本だと老後に不安がいっぱいある。お金を持っていないと施設にも入れないし、家族も時間的にも、経済的にもゆとりがないので、老人の面倒をみるのはきついと思います。
子どもが親の面倒をみる義務がないという法律があるというのは、すごいことだと思う。長い時間をかけて福祉社会を築いてきたからだと思います。
日本のヘルパーの賃金や過重労働の改善をしていかなければ、年寄りはみじめな未来しかないように思います。

・“優れている、劣っているという指標を使わない”ということは、私のいつも考えていることだったので、北欧は〜、という思い込みも、違うと納得しました。
高齢者が自宅で過ごす場合も、本人の意識優先というのが素晴らしいと思いました。何だか余裕のある国というのが羨ましいと思いました。

・ヘルパーの身分が公務員、費用負担は基本的に応能負担、サービスが柔軟に利用できる・・・、やはり北欧型福祉国家の特徴がある、との感想です。
社会福祉的アプローチ(政策から出発する場合が多いという意味)とは違って、人類学の研究者らしく、フィールドの成果に説得力を感じました。

・最初にフィンランドの文化や歴史を取り上げていただいて、表面的な「福祉国家」のイメージからより深く理解できたのが興味深かったです。
【質問】
・両親の扶養義務がないということですが、「でもやっぱり子どもに見てほしい・・・」、「親を見ない子はよくない」という(日本的?)感覚はまったくないのか、知りたいです。
・親の面倒をみる子の割合も知りたいです。

DATE : 2012.06.23

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「シングル」で生きる --異文化にみる家族のかたちと個人の生き方--

○<多文化共生事業>
「シングル」で生きる
—異文化にみる家族のかたちと個人の生き方—

第1回 3月2日(水)夜7時〜9時
テーマ:シングルをひらく——フランス・パリ地域のひとり×ひと・びと
講師 植村清加(東京国際大学 助教)


<参加者の動機>
企画者の市民館の方によると、参加者全員に講座参加の動機は、それぞれに問題意識や関心ごとがある
とのことでした。

・今現在「シングル」の方
・離婚を経験されている方
・今後「シングル」になると思って参加された方
・息子娘が「シングル」なので…という方
・シングルマザーで生きてきた方
・結婚のあり方に疑問を持っている方
・よりよく生きることを考えている方
・タイトルのポジティブさに魅かれて、という方
・上野千鶴子「おひとりさま〜」に??と思った方
・大学生で、勉強のために!という方

など、自分自身のいまと向かい合って参加されている
のがわかりました。

<植村さんによる報告>
■タイトルのインパクト
・本のタイトルに惹かれた。インパクトあり。ポジティブ。(意見多)
・シングルをはじき出す村とかシングルだってへっちゃらよ、とかいう講演タイトルに惹かれた。
 
■人類学・他の社会についての関心(男性たち)
・自分もシングル。人類学をよく知らなかったけどトークイベントいったら、いろんな国のことも知れて面白くて本も買って読んだ。関心がある
・上野千鶴子も読んだけど好きになれなかった。文化人類学なら別の角度からみれるのかなと期待して。
・フランスや北欧に、出生率や子育てをみていても豊かな生き方、シングルでも老後でも生きやすい国という印象があり、フランスのことが知りたくて
・大学が休みですっかり遊んでたから、勉強しようと思って。
 
■自分の問題として
・還暦を過ぎて、シングルを生きること、老後や死を考えるようになってきた方々
・30代で離婚してからシングルでそれに悩んでもきたので、飛び込みで申し込んだ。
・外国に住む娘が30過ぎても結婚する気がない。娘をどうするかのヒントがほしい。
・シングルのひとり娘をつい心配してしまうけど、企画を知りシングルを肯定することがあるんだということを自分にたたきこみにきた
・外国にいる娘がシングルだけど、子どもはほしいというのを親としてどうとらえるか考えていて
・子どもを身ごもった時点でシングルマザーだった。カタカナにするとかっこいいが日本でシングルマザーはひどく大変で、日本は女がシングルをはじき出す。その娘がようやく20歳に。そこまではとにかく母として生きてきたので、まだ親も残っているけどこれからは私が好きに生きたい。いろんな国のことを知ったらどこが自分にしっくりくるか考えて気に行ったところがあったらそこでこれから暮らすのもいいかなと。娘は結婚するつもりもないし自分の感覚で生きていくと思うけど、子どもにさよならできるのか自分の自立がちょっと心配ではある。
 
■ひとりで生きることを考えたい
・今の日本で家族はいても老後って?となる。私は「孤独死する自由」ってあると思う。日本は一つ幕を開けると真っ暗な気がする。
・結婚をしていても人間は最初から最後までひとりと思っており、もっとシングルを広い意味で理解してきた。
・離婚してシングル。離婚したとき、1人で生きていく!っと思っていたけど、シングルの子どもたちが出ていかない今、もしかしたらこの先ずっと子どもといるのかなと思うと嫌。1人で生きるってことに関心があり、フィンランドの話が聞きたい。
・現在結婚するつもりのない30代。児童養護施設で働いているためいろいろな家庭をみるなかですっかり結婚=幸せではないという価値観に。自分らしく生き方を選択したい。
・ひとりの人間として社会との関わりをどう考えたらいいのか、この国立でどう生きるかに関心がある。
 
■結婚に疑問そして矛盾
・結婚しているが退職を機に世帯分離したい。一緒に暮らしているので子どもは産んだが夫とはずっと収入も支払いもすべて別でやってきた。だから結婚が目標になるような子育てもしてこなかったが、自分の人生の先がみえてきたとき娘たちがひとりで生きていくのはどうかなと思うようになり、そこから矛盾がスタート。私のこの気持ちってなんなの?

DATE : 2012.06.23

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